はじめに

ウマミタクラミは現在、茨城県稲敷市にある「稲敷四季農園」にて、農業の現場に密着した調査活動を進めています。
この取り組みは、食の持続可能性に向けた新たな一歩であり、単なる取引先としての関わりではなく、生産者と直接つながり、社会的・環境的リスクを把握する ことを目的としています。
生産者と直接つながる意義
食材の調達において、これまでは品質・価格・供給量といった数値的な条件に重点が置かれがちでした。しかしその背後には、農業従事者の労働環境や高齢化、気候変動による影響といったリスクが存在しています。
現場でしか得られない情報
書面や統計だけでは見えない「作物が育つ環境」「農業を支える人々の実情」に触れることで、サプライチェーンの持続可能性をより立体的に理解することができます。
農業が直面する社会的・環境的リスク
高齢化と後継者不足
農業従事者の平均年齢は年々上昇し、後継者不足が深刻化しています。耕作放棄地の増加もこの背景と強く結びついており、農業の持続性を揺るがす課題となっています。
気候変動と天候リスク
異常気象により、発芽や成長が安定せず、収量にも大きな影響を及ぼしています。自然条件への依存度が高い農業において、気候変動は避けられないリスクとして顕在化しています。
都市と農村の距離感
都市に暮らす人々にとって、農業は遠い存在になりつつあります。この断絶が農業の理解不足を招き、結果的に農業の魅力や社会的価値が伝わりにくい状況を生んでいます。
「稲敷四季農園」での取り組み

耕作放棄地の再生
今回スタッフが関わっているのは、耕作放棄地を活用した農園です。利用されなくなった土地を再生し、新しい農業モデルを模索することは、地域における農業の可能性を広げる取り組みでもあります。
栽培方法の検討
有機栽培か、減農薬に留めるか。持続可能性と生産性のバランスをどのように取るかは重要な検討課題です。調査を通じて、最適な方法を模索しています。
地域との関わり
農園では、地域住民と連携した活動や、都市住民向けの体験農業・収穫祭なども構想されています。これにより、農業が単なる生産活動ではなく、地域と都市をつなぐ社会的な接点となる可能性が生まれます。
食と農をつなぐ新しい価値
飲食店と農業の接続
ウマミタクラミを含む飲食店で扱う食材を、農園から直接仕入れる仕組みを検討中です。これにより、「顔が見える食材」 をお客様に提供し、信頼と安心を生み出します。
背景を伝えることの意義
単に「国産」「有機」というラベルではなく、誰が、どのような土地で、どんな思いを込めて作ったか。その背景を届けることが、食に新しい価値を加えると私たちは考えています。
今後の展望

今回の調査活動は、農業の課題を外部から眺めるのではなく、現場に入ることで具体的に理解しようとする試みです。
- 農業現場におけるリスクを把握すること
- 改善策や持続可能な運用方法を模索すること
- 生産者と消費者の距離を縮め、信頼を築くこと
これらを通じて、食の未来を支える基盤づくりを進めていきます。
まとめ
ウマミタクラミの稲敷での活動は、単なる農業体験ではありません。
それは、生産者とともに課題に向き合い、社会的・環境的リスクを把握し、持続可能な食の未来を模索するための実践です。
今後も現場での学びを深め、私たちの飲食事業を通じてその成果を社会に還元してまいります。